アンソロポエジー
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人類不在の、抒情ーー。 失われた人類文明の延長線上に木霊する、あまりに虚ろであまりに愛おしい七つの抒情人類学! 人類以外を語り手とすることを条件に書かれた、文芸同人:ねじれ双角錐群による第3小説誌。 第27回文学フリマ東京にて頒布。B6版 160ページ。
収録作品
01 「物語り殺し物語」 笹帽子 被害者は最後の人類にして一日三万字執筆する超作家。容疑者は四編の物語生命たち。誰が彼女を殺したか? オーケー書き手たち、小説を書き終えた翌朝から自分の小説がクソに思えてくる現象への対抗策は、次の小説を書くことしかないんだ。 02 「筐体反転」 cydonianbanana 代替数学の氾濫によってあえなく消滅した人類は、滅亡の最中、文明の遺産を外宇宙へと放流する。時を経て《筺》を手にした七腕の知性は、人類文明の解明に力を注ぐが……。著名な人類学者による日記の形式をとった、滅亡後の人類最初の奇書。 03 「冷凍冷蔵庫」 石井 僚一 宇宙と呼ばれる空間を一万年くらい漂っていた冷凍冷蔵庫が小石にぶつかられて、青くて白い惑星に落下していくまでの数十分間を描いた超短編。びゅー。ごごごごーっ。 04 「燃える」 小林 貫 Search key ---> '%Love%' Error: Not authorized reference 05 「フライバイ」 全自動ムー大陸 その身に走った《罅》のために転生を剥奪された「蒐集者」の追放前夜。その思惟は、その光は、その音は、その言葉は、かつて蒐集した《思い出》の最中にある。はたして「括弧」の内外をつなぐ脆い往来に景色は流れ出した。 06 「彼岸過迄」 murashit 死を恐れず計算を続ける「彼ら」と、彼らに造られ死を恐れる「私たち」。自らが造った者たちに殺されることを願う彼と、彼の異言を受けてそれを実行せんとする私を主軸に、自意識をもてあます原・人類から脈と続く苦悩を描く。ダイソン球に自分自身を重ねた漱石の自己との血みどろの闘いはこれから始まる。 07 「イリンクス」 鴻上 怜 氷層に閉ざされた深宇宙の水の惑星。その深海域に棲息する環形動物の少女は、ある日機械の少年を拾う。〈文明の羹〉を名乗る少年は海底世界に地球の知識を広めようとするが……。繁殖の円環から逸脱した者たちの、理と感動をめぐるナラタージュ。