来たるべき因習
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Strange Festival × Speculative Fiction 奇祭が奇想と出会うとき、やがて積もり、いつか結び、かねて繰り返される因習が、未来からの手引きとなってわたしたちの延長線上で蠢きはじめる。虚構の語りに踊る創作群が祭囃子を呼び寄せる、異色の第五短編アンソロジー! 第31回文学フリマ東京@2020/11/22にて頒布予定。イベント後に通販受付開始予定。
収録作品
01 「UMC 2273 テイスティングレポート」 cydonianbanana: およそ17年に一度開催される伝説のウイスキーコンペティションに参加した気鋭のウイスキーライターが記す、出色のボトル8本のテイスティングコメントとその謎めいた来歴――仮想現実に建てられた蒸留所、ナノマシン入りウイスキー、ブラックホール惑星に住むウイスキー愛好家たち。23世紀のウイスキーを巡る、架空のガイドブック! 02 「ハレの日の茉莉花」 笹帽子: 富ヶ谷キャンパスの学生たちのハレの日である『富ヶ谷祭』は、今年から224日に1度の開催となり、常識外さを増していた。祭AIの荒唐無稽な指示に振り回され続ける富ヶ谷祭実行委員会に、最終日にして最悪の知らせが届く。闇霊に侵入されてしまったのだ――。異色の奇祭ソウルライク・フィクション。 03 「ハイパーライト」 小林貫: その日、地球生命は天使に邂逅した。「太陽を追うもの」(ハイパーライト)を名乗る天使は自らが帯びる播種の使命を告げ、人類に選択と決断を迫る。身体性という有限に縛られた人類が最後に送る日常、そして導き出す答えとは。 04 「追善供養のおんために」 murashit: 今日は、というか、今日からしばらく、ぼくのおじさんの話をします。ぼくのおじさんがあるときから信じるようになった、その信仰の話をします。といっても、それはぜんぶぼくのうそです、けれどもやっぱり、それはぼくのおじさんの信仰の話なんです。 05 「花青素」 鴻上怜: 【帰省】[名](スル)郷里に帰ること。また、特異点に帰って拡散する世界を見舞うこと。帰郷。望郷。永劫回帰。homecomingの謂。「墓参りに―する」「姉たちの―」《季 夏》「なつかしや―の馬車に山の蝶/秋桜子」 06 「忘れられた文字」 石井僚一: 本と呼ばれる空間で古くから行われている「文字合い」という風習を文字自身の語りとともに描いた旅の記録です。